レジェンダリー:マーベル今年の拡張まとめ&どれを買ったらいいの?
お待たせしました。
それでは今年一年の「快楽天表紙大賞」および「快楽天漫画賞(=カイマン賞)」の発表を始めたいと思います。エントリーされたのは2016年11月29日発売の『COMIC快楽天2017年1月号』から2017年10月28日発売の『同2017年12月号』の12冊。
表紙大賞ノミネート作を作者別でみますと、
きい 3回
ホムンクルス 3回
小梅けいと 1回
Hamao 2回
みちきんぐ 2回
なぱた 1回
(敬称略)
となっており、今年もレベルの高い……え、『ボドゲ紹介 Advent Calendar 2017』の記事? いつボードゲームの紹介するの!?
今でしょ!(最高にナウいギャグ!)
昨年作ったテンプレートで楽をしたのがバレバレですね。ボードゲーム界の最下層にして異端児、@tottoko_osです。異端児って何歳まで使っていいんですか?
そしてこちらは先程申し上げた通り『ボドゲ紹介 Advent Calendar 2017』の記事です。昨日はすんさんの『SUMO HAM SLAM』の紹介でした。
一度やってみたくなる感じのアホゲーです。女子にカワイーって言ってもらえそう。そのためだけに買ってもいいかな……。
さて今回は昨年に引き続き『Legendary:A MARVEL Deck Building Game(2012)』(以下『レジェンダリー:マーベル』及び『レジェンダリー』)の紹介と今年発売された拡張セットについて、購入者に最近聞かれることが多くなった「拡張セットどれを買えばいいの?」という疑問にお答えしようと思います!
どんなゲームか分かりやすい箱絵!
・『レジェンダリー:マーベル』とは
まず、『レジェンダリー:マーベル』とはなんぞや、という初めて耳にした方に向けて軽く解説をいたしますと、
- マーベルコミックス(注)のキャラクターを使ったデッキ構築型カードゲーム
-
場にあるヒーローのカードを集め、どんどん湧いて出るヴィラン(悪漢)を倒しながら、ぶん殴って得られるラスボスのカードが尽きたらゲーム終了
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ヒーローは赤、青、黃、緑、黒、灰色のカラーとアベンジャーズやX-MENなどのチームシンボルを持っていて、そこにシナジーが発生し、コンボを形成する。
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ヴィランとラスボスなどに勝利点が設定されており、終了時、一番勝利点の合計が高かった人がMVPとなる
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陰謀カードという追加ルールのカードが存在し、この内容によってゲームが終了=プレイヤーの全員敗北があり得る
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故に全滅だけは避けたい、でも他のプレイヤーには勝ちたいという半協力型のゲームである
(注:アイアンマン、キャプテンアメリカ、ソーなどのコミックを出しているアメコミの出版社がマーベルコミックス。スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマンはDC。出版元が違うので別の世界で展開されています。これを日本中の人間が理解するまで言い続けるのがアメコミファン)
という点を理解しておいてもらえると、以後の話が掴みやすくなるかと思われます。
一応昨年の記事がこちら。
『Legendary: A Marvel Deck Building Game』の紹介2016版 - アメコミとアナログゲームの話
ボードゲーマー向けにぶっちゃけますと、『アセンション』や『サンダーストーン』にプレイ感は近いのですが、ヒーローとヴィランのデッキが分かれているので理解がしやすかったり(アセンションとの差異)、購入とバトルが1ターンで何度も行えるのでストレスフリーだったり(サンダーストーンとの差異)手札はいくらでも使用できたり(ドミニオンとの差異)お子さんにも分かりやすく!という配慮を感じます。ただテキストなどは生ぬるいわけではなく、ドミニオンぐらいの思考が必要です。
あと勝利点カードがデッキに入らないので分厚くならず、思い描いたコンボが決まりやすいっていうところも好きです。(故にデッキに差がついたら埋めにくいという意見もよく分かったり)
とにかくキャプテン・アメリカやアイアンマンやウルヴァリンのカードを使って、マグニートーやロキやサノスを倒すゲーム!なわけです。ヒーローが悪を倒す、それは古今東西どんな人の心も熱くするものだと思いませんか?!
あ、全然関係ないのですが『アセンション』を初めてやったのはゲムマがまだ浅草で開催されてた頃で、シャッツキステのレイラさんにインストしてもらったのですが、美人のメイドさんにボードゲームのインストをしてもらうって人生でも5本の指に入る幸せなんじゃないかな?って感じたの覚えています。ほんとに全然関係ないです。
プレイ風景はこんな感じです。
現在(2017年12月時点で)発売されているのが基本セットと拡張セットが12個……え、12個!? しかも悪役目線の基本セット(『Legendary: Villains』)が出ててそっちも拡張が1個出てるの?
いやこれ映画の好調を受けてか海外ではそこそこ売れている模様で、最近は年3つぐらいのペースで拡張セットが発売されております。ヤバイ。追いきれない。どれ買ったらいいかわかんない。全然無理……。引き篭もろう……。
そんな方のために今回はタイプ別購入のオススメをのちほどご紹介しようと思います。チャンネルはそのまま。
・今年発売された拡張セットの紹介
では気を取り直して、まず今年発売された拡張セットをご紹介いたしましょう。今年はどれも特徴的で、むしろとんがりすぎて混ぜるな危険的な扱いを受けたものもありました。
1、Legendary: Noir
Upper Deck Marvel Legendary Deck Noir Expansion Building Game
- 出版社/メーカー: UPPER DECK
- メディア: おもちゃ&ホビー
- この商品を含むブログを見る
スパイダーマンやアイアンマンが活躍するマーベルユニバースにはいくつもの並行世界が存在します。現在進行系のメインストーリーとは違った歴史を辿る、それらの世界をエルスワールドと言ったりするのですが、noir(以下ノワール)もその1つです。
1930年代の禁酒法時代をモチーフとしたそのアメリカには、我々が知る姿とは違うヒーローが存在していました。彼らはギャングや犯罪組織と人知れず闘っていたのです。
百聞は一見にしかず。まずはこの人をほい!
どこからどう見てもあなたの親愛なる隣人、スパイダーマンです。
じゃないよ。誰だよこのカッコいいトレンチコートのヒーローは? はい、この方こそノワール世界でのスパイダーマン、その名もスパイダーマン・ノワールです。銃で闘います。
続いてほい!
僕らが知っている赤い社長は見る影もなく、どちらかというとマーク1に近いフォルムのアイアンマンです。背中のバーニアみたいなヤツ、メッチャ少年心を揺さぶられるー。
続いて我らがヒーローチームX-MENの創立者チャールズ・エグゼビア教授をドン!
知ってた。お前が悪の大ボスだって知ってた。
この世界でのX-MENはミュータント犯罪組織、のようです。
このようにノワールは普段のヒーロー像とは違った趣のビジュアルがステキな拡張です。ルール的にはデッキトップを2枚見て条件が当てはまれば手札に入れたりする「Investigate(=捜査)」という能力が加わります。自分のデッキだけでなく、カードによってはヒーローデッキやヴィランデッキにも効果が及ぶのでなかなか楽しいです。
しかしノワールの良さはやはりクールな世界観でしょう。そこが気に入ったら即ゲットです。
最後にクールなやつをもう一枚。X-MENでは翼を広げ空を飛ぶ能力のミュータント、エンジェルです。
どこのスー◯ーマンだよお前。
2、Legendary: X-Men
70年代から80年代生まれのアメコミファンって、「アニメ版『X-MEN』からCAPCOMのゲームでどっぷりハマりました」って人、結構多いんですよね。かくいう私もその一人です。
そんな我々待望の拡張セットが出ました。
これまでも基本セットや拡張『ダークシティ』で主要なX-MENキャラは押さえていたのですが、90'sX-MENとなるとちょっと物足りない。だってウルヴァリンのサイドキック(後輩的相棒)扱いだったジュビリーが、
いるのぉーーー?
いやでも前に出た拡張『シークレット・ウォーズ』で収録されたビーストさんとか、ファーストファイブ(X-MEN最初のメンバー)なのにチームシンボルがX-MENじゃなくてイルミナティで扱いにく……
チームX-MENで再録されてるぅぅぅーーー!
はい。
あとはゲームファンが待っていたこんなキャラや、
あんなキャラも、
と、あの頃のX-MENを神格化する我々にとって最高の拡張なのであります!
ルール的にも、ヴィランの戦闘力ではなく勝利点を対象として闘う能力「Piercing Energy」や、捨て札を能力発動の起点とする「X-Gene」、デッキトップを捨ててその戦闘力を加算する「Berserk」他まだまだ盛りだくさん! ほんと中規模拡張でここまで詰め込むかと言うほどの内容です! あまりのShock!に嘘で固めたナイフ切り付けたくなること間違いなし!(RISING!!)(老害ギャグ)
アメコミファンのノスタルジーを解消するだけではなく、ゲームとしても新機軸を生み出す最&高なセット……。
つまり何が言いたいかというと、かなりオススメでございます!
最後にこれから映画で登場する可能性もワンチャンあるやべーあいつも見ておいて下さい。
1行目、各プレイヤーは手札が1枚少なくなる、ってどうしろってんだな強さが際立ちます。
3、Legendary: Spider-Man Homecoming
新拡張最後は今年一番の問題作、『ホームカミング』です。
今年の夏に公開された映画はスパイダーマンのオリジン(ヒーローとしての出生)をスパッと端折りながらも、必要なエピソードを見事にアレンジして一本にまとめた快作でした。面白いのはもちろん、感心した、というと上から目線すぎるでしょうか? とにかく今までマーベル映画を観て来なかった方にも是非、とオススメできる作品です。
スパイダーマン:ホームカミング ブルーレイ & DVDセット [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2017/12/20
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログ (2件) を見る
この拡張セットはその映画公開に合わせて作成されたものでした。レジェンダリーでは以前にも『シビル・ウォー』や『デッドプール』で同じ事をしているので、ここ数年の拡張セットのテーマ決めにおける流れともいえます。
じゃあ何が問題だったのか?
結論から言うと実写です。
観ていただいたのは間違いなくレジェンダリー:マーベルのカードでアイアンマンことトニー・スタークで演じているロバート・ダウニー・Jrです。
あとはこの辺見てもらえるといいんじゃないかと。
えー! エッロいメイおばさん役のマリサ・トメイやぐうカワヒロインだったミシェル役のゼンデイヤちゃんカードが入っててゲームも遊べるの?! おっ得ー!! と素直に喜べればいいんですけど。
のっけから見てもらった通りこのゲームのカードイラストはコミック準拠、最近はコミックから抜き出したようなものが収録されているわけで、混ぜて遊んだときの違和感が仕事し過ぎ、つまり違和感がハードワークで36協定もブッちぎってるわけですよ。大丈夫何を言ってるか私にもわからない。
まあMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース=マーベルスタジオで制作してる映画のシリーズの世界)とて先程申し上げましたエルスワールドの一つですから、上記ノワール他異世界のヒーロー(『シークレット・ウォーズ』で大量に追加されてる)を混ぜて遊ぶことを考えたら何もおかしなことはない、はずです。みんな大人になれよ。ごめんなさい一番子供なのは僕です。(股間を眺めながら)
もう1つ気になるのは上記カードに印刷された赤い文字の追加能力「Coordinate」でして、ざっくりいうと「他のプレイヤーのターンに使って応援ができる」わけなのです。この効果が気になるのは見返りがなく応援するだけなので(一応使った分のカードは引くことが出来る)、いくら半協力と言っても最終的に勝利点を競うゲームで快く使えるかなぁ、という点です。もちろん子供と一緒にプレイするときなどは「お父さんCoordinateしちゃうぞ!」みたいな遊び方もできるとは思います。
また選択したラスボスによっては本当に協力が必要な場面も多々あるので、そういったサプライに混ぜるには勝手がいいかもしれません。ダウンタイム(自分がプレイしていない時間)の軽減にもなるといえばなります。
でも気になる。
そんな物議を醸した拡張なのでした。
しかしヴァルチャーとエイドリアン・トゥームスを分けてラスボスにしているところとか、映画を見た人には納得ですし、
新しいスパイダーマンを収録しているところなんかは本当に嬉しいです。
・拡張セット何を買えばいいの?
長らくお待たせしました。それでは今回の本題、何を買えばいいのかですが、ぶっちゃけお金があるなら全部買っt
……おっとここにきて全て投げ出すところでした。5500文字もオーバーすると歳の所為か疲れが出ていけません。
それはそれとして基本セットはマストバイです。一応独立拡張はあるのですが、ヴィラン側のカードのため混ぜて使うのは余りオススメできません。のでまず基本セットを買って下さい。米アマで45ドルぐらいです。
Legendary: A Marvel Deck Building Game レジェンダリー:マーベルデッキビルディングゲーム
- 出版社/メーカー: Upper Deck Entertainment
- メディア: おもちゃ&ホビー
- この商品を含むブログを見る
一応貼っておきます。たまに6000円ぐらいでAmazon.jpでも売ってたりしますが、 米アマの方が手っ取り早いと思います。これは他の拡張も同様です。
では独断と偏見でタイプ別にお薦めを。
・MCU映画『アベンジャーズ』から興味を持った方
『シビル・ウォー』+『キャプテン・アメリカ』
これで大体のアベンジャーズが網羅されています。『キャプテン・アメリカ』はウィンター・ソルジャーが収録されているので。ホークアイとファルコンがちょっとイメージと違うかもしれませんが、原作も知ることで愛を深めて下さい。
・映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』が好き
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』
単純ですがこれで済みます。
・とにかくスパイダーマンを! ジーク・スパイダーバース!
『Paint the Town Red』+『シークレット・ウォーズvol.1&2』+『ノワール』+『ホームカミング』(+『シビル・ウォー』)
人気者なんで色んな拡張にスパイダーズがポツポツ入っています。『シビル・ウォーが括弧なのは「ピーター・パーカー」という正体明かし版のカード1種だからです。それにメイおばさんも入ってたりするので一見の価値はあり。
・Xメン大好きじゃー!
『ダークシティ』+『シークレット・ウォーズvol.1&2』+『X-MEN』+『レジェンダリー:ヴィランズ』
『シークレット・ウォーズvol.2』ではヴィラン側にX-MEN 92という倒すとヒーローになるあの頃のX-MENがいたりします。しかし『X-MEN』単体が発売された今となると、ちょっと価値が下がったかと。
『ヴィランズ』にはマグニートーやらミスティークがいるので映画から入った人は手を出してもいいかも。布製のプレイマットも付くしね!
・デッドプーーーーーール!!!!!!!!!!!!!
『シークレット・ウォーズvol.2』+『デッドプール』
テキストなどなかなか壊れた拡張ですが、デッドプールを敵でも味方でもご堪能下さい。
・MCUドラマが好き
『ダークシティ』+『シビル・ウォー』+『キャプテン・アメリカ』
マーベルナイツ達はこれで網羅! 『キャプテン・アメリカ』にはエージェント・カーターがいます!
・ヴィランで遊びたい!
『レジェンダリー:ヴィランズ』+『フィアーイットセルフ』
邦訳も発売されたので需要でるかなフィアーイットセルフ。
・ゲーム的な面白さでいうと?
『シビル・ウォー』+『X-MEN』+『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』
『シビル・ウォー』の2面カード、上記『X-MEN』、『ガーディアンズ』のシャードトークンはゲームの幅を広げたな!と感じるシステム的な良拡張でした。
といったところです。あとのミニ拡張はキャラでピンときたら買っていいんじゃないでしょうか?
以上!長かった……。長過ぎた……。
深夜に書いたラブレター的記事なので、読み返して恥ずかしくなったら修正・追記するかもしれませんが、これから『レジェンダリー:マーベル』を始めたい人の一助となれば幸いです。
明日はアツさんのアブストラクトゲーム集的な何かということで、こんなガッツリキャラゲーの後で落差が激しいのですが楽しみにしています。
次回更新は今年のまとめとかしようかな! お仕事が師走ってるので自信ないけど!
では!