アメコミとアナログゲームの話

アメコミとアナログゲームの話をします。アメコミのアナログゲームの話もします。

クニツィアのヒーローゲーム、Pow!(パワー!)について

 

メリークリ○○スイブ×4‼︎‼︎

「×4」まで来ると単に○○トリス!って言いたいだけみたいですね! え?ウイスキーの事ですけどー! 吉高由里子の方ですけどー! もしかして、なんか想像しましたー?(クソ顔)

はい、金を払っているのに無職期間でも更新しなかったブログの管理人tottoko(@tottoko_os)です。ウイスキーは白州が好きです。

 

というわけで今回はぐらさんのボドゲ紹介アドベントカレンダー2018年版21日目に寄稿すべく筆を執りました。

 

 

昨日はアツさんによるネスターゲームズの紹介でした。

ネスターゲームズ(nestorgames)について その2 | Lucky Sunday Board Games

恥ずかしながら全く知らなかったのですが、『ここのつ』とか楽しそうですね。ペンケースなのもとってもオシャレで素敵です。ボドゲの裾野は広い。

 

さて、例年に倣えば『カイマン賞2018』の話題から切り込むのがテンプレートなのですが、今年分の滾る想いは本日21日深夜より更新のラジオビューグルさんに場を借りて語り尽くしましたので、そちらを聴いていただければ幸いです。

radiobugle.seesaa.net

アラフォーのおじさんがデュフフ分大目に今年の『comic快楽天』トークを繰り広げております。なんと正月まで毎日更新とのことです。大丈夫かラジオビューグル。

 

はい長い前フリしゅーりょー!

だから最近ボドゲ会でもエロ漫画の話を切り出されるんですよね。

そろそろボドゲの話をします。

 

ここでレジェンダリー:マーベルの1年を振り返るのもテンプレートなわけですが、今年は敢えてアメコミの知識が無くても入りやすい、というか全く知らなくても遊べるアメコミゲームをご紹介してみようと思います。

私のボドゲ会ではこういうゲームも遊べるよ、という下心丸出しの誘い水ブッシャーです。(ナウいリスペクト)

 

今回ご紹介する作品は『Pow!』(バネスト邦訳『パワー!』)。

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作者はボドゲ界の超有名デザイナー、ライナー・クニツィア。そう、あの『モダンアート』『ラー』『インジーニアス』のクニツィアです。

 

【ルール解説】

コンポーネントはタイル24枚と特殊な目のサイコロが5つ入っています。

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このタイルのうち12枚が勝利点を持つスーパーヒーロータイル、残り12枚はマイナス点のスーパーヴィランタイルとなっています。これを各種類ごと混ぜ、12枚ずつ2列に並べて、セットアップ完了です。

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プレイヤーはスーパーヒーローもののアメコミ作家に扮します。各プレイヤーが自分の手番でタイルを取っていき、全て無くなったらゲーム終了。その時勝利点の最も高い人が、優秀な作品を世に送り出したという事で勝利します。

タイルの獲得に使うのは上記の専用サイコロです。各プレイヤーは自分の手番に5つサイコロを振り、その結果に従って必ずタイルを1枚取らなければなりません。

この時、出目1つ残して振り直しという『キングオブトーキョー』的なことも出来ます。

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サイコロの面には青の盾マークが2つとオレンジのドクロマークが2つ、青とオレンジの『!』が1つずつ入っています。

青の盾はヒーローの獲得です。サイコロを振った結果、青の盾がある数と同じだけヒーロータイルを左から数え、そのタイルを取ることが出来ます。

オレンジのドクロマークはヴィランの獲得です。ヒーローの獲得と同様に、サイコロを振った結果から、ドクロマークがある数だけヴィランタイルを左から数え、そのタイルを取ることが出来ます。

盾とドクロマーク、両方出ていたら、どちらを取るかプレイヤーが選べます。上の写真だとヒーロー列の左から2番目か、ヴィラン列の左端か、どちらかを選択するということです。

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獲得したタイルはヒーローとヴィランに分け、新しいものを上に重ねていきます。ヴィランがマイナス点なのにどうして取るの、という話は最後にします。

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『!』マークは他のプレイヤーのタイルを奪えます。同じ色の『!』が3つ出たら指名したプレイヤーの一番上のタイルを、4つ以上出たら上から何番め、と指定して奪うことが出来ます。その時揃ったのが青だったらヒーローを、オレンジだったらヴィランを奪えます。

ここがゲームの肝で、他のプレイヤーがいつ高得点タイルを取ったか覚えたり、偶然出た「!」3つに高得点タイルを取られないようとりあえず取れるヒーローを載せたり、なんて戦略が生まれます。

終盤、人のタイル目当てにサイコロを振り直す物乞いプレイヤーを嘲笑ったりします。(ケンカにならない程度にね!)

 

以上のルールで時計回り手番を回し、場から全部のタイルがなくなったとします。(終わりぎわに指定したタイルが取れなくなったら、など細かいルールもあるのですが、省略します)

各プレイヤーは最終得点を計算する前に、自分の手持ちのタイルを見て、積み上げたヒーローとヴィランの枚数を比べます。

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この時ヴィランより高く積んだ分のヒーロータイルは得点に数えません。上の写真はわかりやすく下から古い順に並べたものですが、一番上のクノイチっぽい5点のタイルは得点計算から除却します。さらばセクシー担当。上の写真だと最終的に5+1+3=9点に-1-2-3=-6点で差し引き3点がプレイヤーの勝利点になります。

まあヒーローが数に任せてフルボッコにするなんてイジメを助長しますからね! お子様にも安心! スーパー戦隊バンザイ!

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逆にヒーローがヴィランより少ない時はそのまま得点計算をします。つまり上の写真だと5-8=-3点です。

巨悪に立ち向かうヒーローカッコいい! 大人も大満足! ジョン・マクレーン頑張れ!(不意にクリスマスネタ)

といった感じで計算して、一番高い勝利点のプレイヤーがベストコミッククリエイターとなります。

 

【所感】

私がこのゲーム面白いなーと思ったのは、この得点計算で過剰なヒーローを外す部分です。ヴィランとヒーローは一対で存在する、なんてのはバットマンとジョーカー、スーパーマンとルーサー、スパイダーマンとグリーンゴブリンなど、アメコミの有名なライバル関係を彷彿とさせます。かの有名な『ダークナイトリターンズ』辺りから綿々と受け継がれるネタをブチ込む辺り、クニチー分かってんなーなんて上から目線でほっこりしました。

あと、このゲームで示されるベストコミックの有り様は、弱い(マイナスが少ない)ヴィランと強い(勝利点が高い)ヒーローの掛け合わせってことになります。これは多分、箱絵などからもわかる通りプレイヤーの対象年齢を低めに設定しているからで、お子様が「俺つえぇー!」を楽しむのは世界標準なのかな、などと想像させます。対象年齢を高めにするなら、点数が拮抗すると勝利点が高くなるようデザインするのでは無いでしょうか? そんなとこも(俺はクニチーのこと、わかってるよ…)みたいな気分になります。(何この気持ち悪い人)

 

あ、一応、絵を見てわかる通りマーベルにもDCにもいないオリジナルヒーローなので、知識はなくても大丈夫だし、好きなら既存のキャラのシールでもなんでも貼ってマイPow!にしてもらっても、プレイに支障はありません。恐らくマーベルもDCも権利取れなかったのかな、なんて邪推しますが、俺はクニチーのこと(以下略

 

【締め】

というわけで軽くてちょっと悩ましいアメコミゲーム、重いゲームの隙間やマーベルヒロイックRPG後の空いた時間などにプレイするにはぴったりじゃないでしょうか?

また機会があれば別のアメコミゲームも紹介したいですね。

 

それでは、今年もお世話になりました。また来年もボドゲ会などよろしくお願いします。カイマン賞もよろしく。

良いお年を!